切手の豆知識


第2回「寄付金付切手」

▼長野オリンピック・寄付金付
  ▼愛国切手
  
エンブレムと競技(左)とスノーレッツ(右)
日本 1997年
日本アルプス上空の
ダグラスDC−2型機
日本 1937年
▲年賀はがき・寄付金付


 切手には、その切手が何円分の郵便料金を前払いしているかを示す、値段が表示されている。これを額面という。この額面分が、郵便料金として通用する。
 切手の中には、額面の料金表示とともに、「+」で数字が示されたものがある。1998年開催の長野オリンピック冬季大会の記念切手のうち、開催1年前の1997年に発行されたものが、その例にあたる。切手1枚が90円で発売されたが、郵便料金として通用するのは額面80円分で、「+10」と示された10円分は、大会費用の足しとして寄付された。このプラス分は、郵便料金として使えない点に注意しなければならない。郵便局で90円を支払って買った切手であるが、90円切手としては使えない。80円切手としての効力しかないのである。以上の様なスタイルの切手を、「寄付金付切手」と呼んでいる。
 世界最初の寄付金付切手は、1897(明治30)年に登場した。結核の療養所や病院建設資金を集めるために、現在のオーストラリアの一地方である、ニューサウスウェールズとビクトリアがそれぞれ発行した切手である。日本では1937(昭和12)年に、航空事業発展の助成を目的として、初めて寄付金付切手が3種類発行された。この切手は、航空愛国週間にちなんで発行され、切手に「愛国」の文字が入っていることから、愛国切手と通称されている。
  私たちの最も身近なところでは、寄付金付お年玉付郵便葉書・郵便切手がある。いわゆる年賀はがき・年賀切手の、寄付金が付いたものである。この寄付金が、どのように使われるのかを、知っている人は少ないであろう。毎年10月中旬、官報に、この寄付金の配分を受けようとする団体の公募要項が発表される。これに基づいて申請できるのは、社会福祉、青少年育成、文化財保護、環境保全などの活動をしている、非営利団体である。 毎年3月または4月に、年賀はがき・年賀切手の販売で集まった寄付金の配分先が官報で公示される。2002(平成14)年は、419団体に配分された。配分総額は、14億400万8,000円であった。

2005/05/28




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