切手の豆知識


第5回「公募図案」

  
2001(平成13)年用お年玉付き年賀はがき料額印面原図
日本 2000年
日本最初の公募図案「田沢切手」
日本 1913年


 2001(平成13)年用のお年玉付き年賀はがきは、料額印面(料金を表示した切手にあたる部分)のデザインを、初めて一般から公募した。21世紀が始まる年、21世紀の夢と希望を願い、2000年3月17日から4月21日にかけて募集された。5,078点の応募作品の中から、年賀はがきの料額印面の原画に採用される郵政大臣賞2点が選ばれた。賞金は16歳以上の場合30万円、16歳未満は15万円相当の賞品であった。郵政が発行するはがきの料額印面のデザインを一般から公募することは、その時が初めての試みであった。切手についていえば、一般からのデザイン募集は、古くから行われている。
 日本で初めての切手図案の公募は、1913(大正2)年のことであった。明治天皇が崩御され、大正天皇に御代替わりとなり、逓信省(現在の日本郵政公社)では、新しい時代にふさわしい、普通切手を製造することにした。1月23日から3月15日まで募集が行なわれ、577点の応募があった。この募集で1等賞になったのは、政府の印刷局職員、田沢昌言(たざわまさこと)で、アール・ヌーヴォー調の装飾図案である。1913(大正2)年8月31日から発行が始まったこの切手を、切手収集家は、そのデザイナーの名前から、「田沢切手」と呼んでいる。ちなみに、1等の賞金は200円であった(参考 当時のはがき料金は1銭5厘)。
 次に切手の図案が一般公募されたのは、太平洋戦争時で、国民から戦意昂揚をテーマにした図案を募集し、手直しのうえで普通切手の図案に用いている。また、終戦直後には、普通切手のための平和色豊かな図案を公募している。
 記念切手については、以下のものが、公募図案である。 1948年 日本国憲法施行記念/1953年 皇太子殿下御帰朝記念/1966年 ガン征圧/1971年 郵便創業100年記念/1980年 ふみの日/1981年 省エネルギー/1983年 世界コミュニケーション年/1984年 防災/1986年 国際平和年/1987年 国際居住年/1988年 ふみの日/1989年 ふるさと切手滋賀県版/1990年 郵便切手デザインコンクール/1991年 郵便切手デザインコンクール/1991年 第11回世界ろう者会議記念/1991年 ふるさと切手石川県版/1992年 郵便切手デザインコンクール/1993年 世界人権宣言45年記念/1995年 平和50周年記念/1995年 国連・ユネスコ50周年記念/1997年 ふみの日/1998年 世界人権宣言50周年記念/2003年 世界遺産シリーズ第11集 原爆ドーム

2005/05/28




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