切手の豆知識


第7回「Pスタンプ」

  
オーストラリア郵政
「Pスタンプ」
イギリス郵政
「スマイラーズ」を貼った手紙


 1999年3月、オーストラリアのメルボルンで国際切手展が開かれた。オーストラリア郵政は会場で、画期的な切手の販売を行なった。正規の切手の横に、切手と同じスペースがあり(切手収集用語で「タブ」と呼ぶ)、そこに自分の肖像が印刷されるのである。デジタルカメラで撮影した画像を、コンピュータで合成し「タブ」に印刷する。このセットが、10組で1シートを構成し、専用のパッケージに入れられ、10オーストラリア・ドル(約780円)で販売された。世界初の試みで、「Pスタンプ」(Personalised Stamps)と名付けられた。3月のものは会場限定販売であったが、同年9月発行のグリーティング切手から、「Pスタンプ」が全国で一般販売された。11月発行の2000年を記念する切手でも、同様に「Pスタンプ」の全国サービスが実施されている。
  現在までにオーストラリア以外では、以下の国々が「Pスタンプ」を実施している。インドネシアは、1999年10月開催の切手展で、同月発行の万国郵便連合125年記念切手を使い、「プリズム・スタンプ」という名称で特別販売した。スイスは、1999年11月発行の2000年を記念する切手で、全国サービスを行なった。肖像だけではなく、会社のロゴマークを印刷して、宣伝に使うこともOKとした。シンガポールでは「マイ・スタンプ」と名付けられ、全国サービスを開始した。タイは、2000年3月開催のアジア国際切手展会場において、花図案の2000年用年賀切手で実施。カナダは、切手の「タブ」ではなく、額縁がデザインされた専用切手に、プリクラ風シールを貼り込む方式である。2000年4月から始まったサービスで、「ピクチャー・ポステジ・スタンプ」という。使いたい写真(社会的に問題の無い写真なら肖像以外も可)を添えて、カナダ郵政の担当部門に所定の料金と一緒に申し込むと、約3週間で国内郵便料金用の「ピクチャー・ポステジ・スタンプ」25枚が送られてくる。イギリスは、2000年5月に開催された、スタンプショウ2000の会場で特別販売をしている。笑顔をテーマにした図案のグリーティング切手に、笑顔の肖像写真を組み合わせるので、「スマイラーズ」という名称が付いている。この会場ではアイルランドも「Pスタンプ」を販売した。
 日本では、2001(平成13)年8月1日から7日まで、東京ビッグサイトで開催された日本国際切手展2001で特別販売されたのが最初である。現在は、写真と代金を添えて、郵便局の窓口にある写真付き切手専用申込書で手続きをすれば、約3週間以内に出来上って送られてくる。また、発注数が1,000枚以上の法人の場合、シート地のデザインもオリジナルなものが可能である。このオリジナルの写真付き切手を発注し、商品宣伝や観光PRに役立てる企業や自治体が増えている。

2005/05/28




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