切手の豆知識 |
第8回「国際文通週間」
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最初の国際文通週間 にちなむ郵便切手 日本 1958年 |
国際文通週間にちなむ郵便切手 日本 2000年 |
日本の郵政は、毎年、恒例のテーマで、いくつかの切手を発行している。日本の近代郵便が始まった4月20日の郵政記念日にあわせ、「切手趣味週間」にちなむ切手、5月の全国植樹祭に際しての「国土緑化運動」にちなむ切手、7月23日の「ふみの日」にちなむ切手、秋には「国民体育大会」にちなむ切手、11月には「年賀切手」がある。「国際文通週間」にちなむ切手は、これらの切手と同じように、毎年恒例で発行される切手である。1958(昭和33)年から毎年10月に発行されている。 国際文通週間(International Letter Writing Week)とは、世界の人々との文通によって相互理解を深め、世界の平和に貢献しようという目的のキャンペーンである。1957年にカナダのオタワで開催された、第14回万国郵便連合(UPU 郵便の諸問題を調整する国際連合の専門機関)大会議で、万国郵便連合が結成された10月9日を含む1週間を、その期間とすることが決められた。日本における「国際文通週間」キャンペーンは、日本郵便友の会が主催し、日本ユネスコ協会などが協賛している。郵政の報道資料によれば、日本では、毎年10月6日から同月12日を「国際文通週間」と定め、このキャンペーンの一環として「国際文通週間にちなむ郵便切手」を発行している、とある。日本以外の国で、「国際文通週間」というテーマでこの時期に切手を発行している国にはタイがある。その他の国では、ドイツがしばしば、「切手の日」というテーマで切手を発行している。 1958年10月5日に発行された、日本最初の「国際文通週間にちなむ郵便切手」の題材には、歌川広重の東海道五十三次の浮世絵から「京師」が選ばれた。当初は、浮世絵ではなく、手紙をテーマとしたオリジナルデザインの切手が考えられ、毎年ではなく、1958年の1回だけの発行のつもりであったようである。しかし、浮世絵を題材とした試作切手が検討会で好評であったことなどにより、毎年の発行に変更となったと考えられる。 以降、1962年までが、広重の東海道五十三次、1963年から69年までが、葛飾北斎の冨嶽三十六景から題材が選ばれた。70年から72年は、明治文明開化の錦絵がデザインされている。73年から81年は、鳥をテーマにした大和絵が採用されている。鳥には、手紙を運ぶというイメージがある。82年から87年は、日本の伝統文化を紹介する意味あいで、日本人形が題材となった。88年は特殊で、歌舞伎の役者絵である。正式発表はないが、歌舞伎座の100年にちなんでのことである。89年から93年は絵巻物が選ばれ、94、95年は風俗を描いた屏風絵であった。96年以降は、日本文化が感じられる、美麗な絵画や浮世絵が選ばれているようで、2000年より再び広重の東海道五十三次が取り上げられている。 2005/05/28 |
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